僕らは互いに顔を見合わせ、もう笑うしかなかった。
すべては適当に物事を進める僕らに対するお仕置きで、社会人になる前に神様に渇を入れられただけの話なのだ。
2月18日、僕らは学生最後の旅に出るために成田へ向かった。荷造りは相変わらずギリギリまで終わらない。待ち合わせの時間をお互い少しずつ延ばし、さらに延ばし、さらに延ばしで、空港で待ち合わせたとき出発2時間前はもうとっくに過ぎていた。
でも、僕らはその時間でも間に合うことを知っていた。いつもギリギリでなんとかなってきたからね。そんな慢心が今回の事件を引き起こす。
僕らは当たり前のように大遅刻でチェックインカウンターへと向かった。行き先と時間を告げると、受付のお姉さんの顔は曇る。でも、出発まであと1時間もある。サクサク受付を済ませ搭乗口へ向かえば、まだまだ時間に余裕はある。
しかし、そのお姉さんが発した言葉はNOだった。 ……え?
結論から言うと、僕らは飛行機に乗ることが出来なかった。もちろん駄々をこねくりまわし、チェックインカウンターにへばりついて放さなかったが、NOがYESに変わることはなかった。僕らは、旅に出ることすら出来ないことが決まった。
神様は僕らにちょっとしたお仕置きを用意していたわけだ。というか、当たり前の結果である。今までよく間に合っていたものだ。
こうして、僕らの学生最後の長期旅行は始まった。行き先は中東のイランから始まり、トルコ、ギリシャ、イタリア、スペイン、モロッコと行く予定だ。しかし、航空券の変更に伴い、1泊目はトルコのイスタンブールで降りることとなった。その翌日イスタンブールからイランへと飛ぶ。つまり、飛行機に乗り遅れたことで2日も出遅れることとなった。
成田のビジネスホテルでその日は泊まり、再び遅刻などしないよう早めに就寝。ま、結果として翌日もギリギリに搭乗することになるのだが(笑)。
今回のトラブルなんて普通の人なら回避して当たり前だ。
ただ、そんなトラブルが旅を面白くしていく。
そんな言い訳をしながら、僕らは飛行機へと乗り込んだ。
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